5 石オペアンプ製作記
初掲載2004年5月30日

CQ出版社「解析OPアンプ&トランジスタ活用」初版のP14に掲載されている回路図とほぼ同じです。
元の回路図と異なるところは、
  1. Q1とQ2は低雑音トランジスタ2SA872Aから互換の2SA970-GRに変更(部品が入手し難いため)
  2. D1とD2は1S1588から1SS133に変更(特に意味はない。1SS133が手元にあったから使用)
D1とD2の変更は設計者が想定した回路の動作に多少影響を及ぼす可能性があります。
Q3とQ5は定電流源として動作しますが、その電流値を決めるのがD1,D2の降下電圧とR2,R5の抵抗値です。
Q3とQ5のコレクタ電流値は、それぞれ((D1+D2の降下電圧)-(Q3のVbe)) /R2、((D1+D2の降下電圧)-(Q5のVbe)) /R5となります。
使用した1SS133の降下電圧を測定したところ0.5V程度でした。
1S1588で想定された0.6Vよりも低いため電流源の電流値が多少低くなります。


最初に差動入力回路に使われるQ1とQ2のVbeとhfeを測定して選別を行います。
Q1とQ2の特性差を揃えた方が入力オフセット電圧が低下します。
Q1とQ2に使われている2SA970は低雑音で最大コレクタ電流が少ないトランジスタですので、入力回路用に向いています。
写真の左上の回路は測定回路です。
左下の写真のようにみの虫クリップで挟んで測定します。
測定回路はみの虫クリップで配線して実現しています。


10石測定して赤丸の組み合わせを使いました。
本当は左上の2つが最も特性が近いのですが、たかが5石オペアンプに特性の揃ったものを使うのはもったいないので、
赤丸の組み合わせを使いました。


回路図通り組み立てた状態です。
これだけでは動作しないので、負帰還の回路を追加する必要があります。


負帰還回路は図のような非反転増幅回路にしました。
Cfは位相保証コンデンサです。
通常のオペアンプはCfを内蔵していますが、5石オペアンプは外付けです。


5石オペアンプに負帰還回路を追加して、非反転増幅回路にした状態です。


写真のようにオシロスコープとオーディオアナライザを使って動作を確認してみました。



発振キタワァ━━(n‘∀‘)η━━ !!!!!

どうやら発振してしまっているようです。
位相保証用コンデンサをCf=15pFから150pFに増やしてみます。


Cf=150pFにしたらマシになりましたが、それでも発振しています。


波形を拡大すると、2.7MHzの発振が起きていました。
(写真では271KHzとなっているが、測定し難いので10周期分の測定をしているから)


出力に接続したケーブル(オーディオアナライザに接続するための3mのBNCケーブル)を外すと、発振が止まりました。
どうやら、ケーブルの容量負荷で発振しているようです。
5石オペアンプの出力インピーダンスとケーブルの容量負荷(コンデンサ)がLPFを形成するため、出力の位相がずれてしまいます。
位相のずれた波形が負帰還で5石オペアンプのINV端子に戻るから発振するのです。


対策としては出力に100ohmの抵抗Roを直列に接続して、負帰還回路に位相のずれた出力を入れないようにします。
ケーブルはRoに接続します。
この対策でケーブルを接続しても発振することはなくなりました。

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