5石オペアンプ性能測定

作成した5石オペアンプの性能を測定してみました。
CQ出版社「解析OPアンプ&トランジスタ活用」初版に書かれている5石オペアンプよりも周波数特性、歪み率そしてオープンループゲインの性能が かなり低くなっています。
基板がユニーバーサル基板なのも性能低下の 一因となります。
スルーレートだけは、私の5石オペアンプの方が高性能でした。
  1. 周波 数特性
  2. 雑音+歪率
  3. 最大 出力電圧振幅対周波数特性
  4. オープンループゲイン
  5. 入力オフセット電圧
[戻る]

周波 数特性 ※2004年7月18日に再測定の結果と入れ替えまし た。

増幅率11倍の非反転増幅回路で測定しました。Cf=150pFです。


図のように入力レベルが高いほど出力レベルが高くなるのでf特性的に不利です。
ただし、入力レベルが低くても30KHz以上になると、かなりレベルが低下します。
CQ出版社「解析OPアンプ&トランジスタ活用」初版の5石オペアンプの場合、同条件で50KHz程度まではフラットを保っています。

[TOP]

雑音+歪率

増幅率11倍の非反転増幅回路で測定しました。Cf=150pFです。


測定器HP8903BのLPFは30KHzに設定したときの値です。
出力レベルが2Vrms以下のとき、S/Nが低いのでノイズが歪みとみなされて歪み率が上がっています。
今回、S/Nは正確に測定していないのですが、45dB〜50dB程度でした。

全体的に歪み率は高いと言えます。
基板化していないため、配線の作りが良くな いことも原因しているでしょう。

[TOP]

最大 出力電圧振幅対周波数特性

増幅率11倍の非反転増幅回路で測定しました。Cf=150pFです。


オペアンプの出力は、過大な入力信号を入れられると下写真のような台形の信号を出力します。
この台形波の振幅を最大出力振幅と言います。
この写真は1KHz時の最大出力振幅を表しています。


周波数を上げると、下図のグラフのように最大出力振幅は低下します。

最大出力振幅(Vopp)の低下が始まる周波数を最大出力帯域幅(Bom)と言います。
このグラフの場合、Bom=21.0KHzでした。
スルーレートSRは以下のように定義されます。

SR = π・Bom・Vopp = π・21.0×10^3・29.9 = 1.97 [V/usec]

あまり高いスルーレートとは言えませんが、CQ出版社「解析OPアンプ&トランジスタ活用」初版に書かれている5石オペアンプのスルーレート 1.5V/usecは越えています。

[TOP]

オープンループゲイン ※2004 年7月18日に測定結果を追加。

増幅率1倍の反転増幅回路で測定しています。Cf=150pFです。
入力信号はR1から入れます。

オープンループゲインは帰還をかけないときの交流信号の増幅率のこと です。
実際には図のように帰還をかけないと測定できません。
INV端子とOUT端子の電圧比を測定します。
その電圧比がオープンループゲインです。


オープンループゲインの測定の様子です。
写真の下の波形(CH1 1mV/div)がINV端子の波形ですが、3mVp-p程度の微小な信号のため、かなりノイズ?が入っているようです。
写真の上の波形(CH2 5V/div)が出力です。
出力は約13Vp-p程度ですので、オープンループゲインは 13 / 0.003 = 4333倍 = 20 log(4333) = 72.7dBとなります。


入力電圧5Vrmsのときのオープンループゲイン測定結果です。
50KHz程度で0dBに達すると言うかなりの低性能です。


入力電圧3.14Vrms(中途半端な値だが意味はない)のときのオープンループゲ イン測定結果です。
150KHz程度で0dBに達するので、先ほどの測定よりはかなりマシになっています。
やはり出力レベルを低くすると、f特性と同様に特性的に有利なようです。
CQ出版社「解析OPアンプ&トランジスタ活用」初版の5石オペアンプの場合、1.9MHzになるまで0dBに達しません
ただし、その書籍には入力レベルが書かれていませんでしたので、同条件かどうかは不明です。
私の5石オペアンプはかなり低性能です。

いずれにしても市販のオペアンプは100dB(10万倍)程度あるものが多いので、性能的にはかなり低いと言えます。

[TOP]

入力オフセット電圧

適当な増幅率Aの負帰還回路を作って、入力端子を接地します。
そして、出力の電圧値Voを測定します。
このとき、入力オフセット電圧をVioとすると、Vio = Vo / A です。
5石オペアンプの入力オフセット電圧Vioは9.55mAでした。
実用的に使うにはかなり大きな値です。
市販オペアンプのNE5532の場合、Typ.=0.5mV、Max=4.0mVですので、5石オペアンプの入力オフセットがかなり大きいことが分かりま す。

[TOP]


inserted by FC2 system