2003年11月18日
このページの末尾に「ATH -AD10にATH-AD7のパッドを着けてみる」という記事を追加しました。

ATH-AD10の写真でつ
2003年11月13日掲載

オーディオテクニカの最高級開放型ヘッドホンです。
定価35000円、実売価格2万3000円〜2万8000円もする機種なのに音はトホホでした。
音のレビューはここをクリックして下さい。ATH -AD700やATH-AD7のような一万円台のヘッドホンに苦戦する悲惨な戦いが待ってます・・・


パッケージはATH-AD7と同様のビニールパックです。
定価35000円でこれはないかと思うのですが・・・


こんな風に梱包されています。


左がATH-AD10です。右が下位機種のATH-AD7。
ドライバーユニットとヘッドバンドの接合部の形が異なる以外は似ていますね。


左からATH-AD700、ATH-AD10、ATH-AD7です。
外観はATH-AD10が最も良いと思います。


左がATH-AD10、右がATH-AD7。
ニューウィングサポートは付け根の部分以外は良く似ています。


左がATH-AD10、右がATH-AD7のドライバーユニット(右ユニット)です。
パンチングケースはほとんど同じように思えます。


ATH-AD10のドライバーユニット(左側)のアップです。
中心部のドライバーを支える支柱まで金属製で見た目は本当に格好いいです。
見た目はね・・・


比較のためにATH-AD7のドライバーユニット(左側)のアップも撮りました。
中心部のドライバーとドライバーを支える支柱はプラスチックです。


ATH-AD10のコードは布巻きです。


ATH-AD10のパッドです。
ATH-AD7やAD700のパッドと異なって、ゴムのようなブヨブヨとした弾力があります。
このため、耳に密着かつ押さえつけるような装着感になります。
つけ心地は良いのですが、開放型ヘッドホンの装着感としてはかなり異様だと思います。
他社の開放型でこのような装着感のものはありませんし。

筆者は音が気に入らなかったのでATH-AD10をそのうち手放すつもりです。
_| ̄|○

[HOME]


ATH-AD10にATH-AD7のパッドを着けてみる
掲載2003年11月18日

このページとATH-AD700の試聴記(AD10 の試聴も含む)を2ちゃんねらーに公開した後、ATH-AD10の情報が珍しいこともあっていくつかの反響がありました。
筆者としては以下のレスが特に興味深いものでした。
【AV機器】 1万円前後のヘッドホンPART9
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/av/1067905918/

201  名前:名無しさん┃】【┃Dolby  メール:  投稿日:03/11/11 09:48 ID:dSVT3era
      さいたま氏のレビュー読んだけど、一通り同意できますね。
      
      AD10は、「耳押し付け型」って感じで、その名の通り、
      一般的なヘッドホンやイヤホンを耳に押し付けた時のような
      変てこな音場感。音楽鑑賞向きとは言いがたい。

283  名前:名無しさん┃】【┃Dolby  メール:  投稿日:03/11/13 17:44 ID:ilUEqP8l
      AD10とAD7 or AD700をお持ちの方にお願いしたいのですが、
      >>201等で「耳押し付け型」で変てこな音場感と書かれていますが
      AD10にAD7 or AD700のイヤパッドを付ければ、少しはマシになるか
      試して頂けないでしょうか?

確かに201氏の「耳押し付け型」というのは同意できました。
上でも書いたようにかなり特殊な装着感です。
耳たぶが押しつぶされるのにパッドがゴムのような弾力かつ柔らかいので装着感は悪くはありません。
しかしながら、イヤホンのような狭苦しさも感じました。
201氏の「変てこな音場感」とは、私がATH -AD700の試聴記(AD10の試聴も含む)で書いた
「前方の音場と左右の音場の一体感がなく、前方の音像と定位がボケた音場」のことかと思われます。
283氏のアイデアも面白そうです。
そこで、ATH-AD10を手放す前に実験してみました。


ATH-AD10のパッドを外すと、ドライバーが露出します。


ATH-AD10にATH-AD7のパッドを着けた様子です(右後ろはパッドをはずしたAD7)
外観は悪化していると思います。
AD10のゴールドボディにAD7の黒パッドは似合わないようです。
前方の音像と定位のボケはある程度改善しますが、基本的な音の傾向はほぼ一緒です。
その反面、通気性の良いAD7のパッドが逆効果になって、低音が少なくなります。
このような工夫をしてもATH-AD700の音の立体感にはかないません。
ATH-AD7と比べてもまだ前方の音像と定位は見劣りするようです。


左がATH-AD7のパッド、右がATH-AD10のパッドです。
右のAD10のパッドの方が薄いのですが、装着時にAD10の柔らかいパッドはさらに潰れて薄くなります。

ATH-AD10にATH-AD7のパッドを着けると一応の音場感の改善はみられました。
その原因はATH-AD10のパッドとATH-AD7のパッドの厚みの違いにあるのではないでしょうか。
ATH-AD10の場合、パッドが薄く装着時に押し潰されるためドライバー(発音体)が耳に近づきすぎるところがあります。
それがAD10の前方の音像と定位のボケを発生させる一因なのかもしれません。
AD7のパッドはAD10のものより厚いので、AD10にこれを着けると、ドライバーの左右の間隔が広がって音場感が改善されるのでしょう。
スピーカーの左右をある程度広げないと音の立体感が出ないことと同様の原因かもしれません(名機HD580の左右のドライバーの間隔が広いことと一致して いる)。
もちろん、AD7のパッドの厚みによって側圧が強くなるので、AD10の側圧が強いと思っている方には装着感の悪化を招きます。
とは言っても根本的な音場感の解決はドライバーの構造を変えないと無理かと思われます。

(結論)
ATH-AD7のパッドを別途購入してまで試すことではないと思います。
音場感が改善されても音のバランス、装着感そして外観は退化する可能性があります(もちろん人によって感じ方は異なります)。

[HOME]
inserted by FC2 system