通天閣から撮影したなんばとその周辺。
でんでんタウンは南海電鉄なんば駅の南東に位置する長さ約700m程度の商店街です。長さ約600mの秋葉原よりも長いのですが、商店街形式なので細長いだけとも言えます。
立地はあまりよくなく、最寄りの駅は大阪市営地下鉄堺筋線恵美須町駅だけで、それ以外の駅からはある程度歩くことになります。
堺筋線はメジャー路線とは言えないため、なんば駅から歩いてくる人が多いようです。
そのため、ヨドバシカメラが梅田にできると、わざわざ不便な場所に来る一般客はいなくなり、街にはオタクとマニアだけが残ったと言えるでしょう。

---

日本橋3南交差点（場所）から北方向を撮影。写真右側（東側）にホテル ヒラリーズと高島屋別館があるので、その部分は電気街ではない。


日本橋3南交差点（場所）から南方向を撮影。見ての通り家電店のようなものはあまりなく、ホビー系が中心。
写真中央を走っている通りが、堺筋通り。秋葉原の中央通りと比較すると車道も歩道も狭い。周辺の道路事情はよいとは言えず一方通行の細い道が多い。
そのためか歩行者天国になるのは年に一日だけの日本橋ストリートフェスタ(2005年から実施)のときだけである。


なんば駅から堺筋通りの間を接続するなんさん通り（場所）も電気街になっている。ただし、なんさん通りの南側（写真右側）のみが電気街である。

堺筋通りの歩道は立派なアーケードになっている（左の写真）。歩道は狭いが、雨に濡れなくていい。夏は日射しも避けられる（秋葉原は日陰がなくて夏の移動が辛い）。ただし、右の写真のように交差点で切れているので、結局のところ雨天時に傘が必要である。


でんでんタウンは秋葉原ほど高層化していない。下町の商店街のような建物も多い。

左の写真は、堺筋通りの東側の裏通り（場所）。地図の場所から北方向を撮影。電子部品店やアマチュア無線がいくつかあるが、賑わっている様子もない。
右の写真は、左の写真の場所から南側を撮影。電気街になっていない。
でんでんタウンは商店街形式のためか裏通りは全体的にさみしいことが多い。

堺筋通りの西側の裏通りの北部はオタロードと言われている。左の写真はなんさん通りに近いオタロード（場所）。ここはでんでんタウンの裏通りとしては比較的賑やかである。
しかし、なんさん通りから多少離れると右の写真のように店舗の密度は下がる。
これでも10年前よりは店舗は増えたくらいであるが、店舗が密集した秋葉原の裏通りに比べると寂しいものがある。


堺筋通りの西側の裏通りのオタロードよりも南側に五階百貨店という建物がある（場所）。この周辺は道具・工具の販売店が集まっており、電気街とは別の雰囲気がある。

地下鉄恵美須町駅付近（場所）は電気街の衰退の影響でマンションが建ち始めている。一度、マンションになってしまえば電気街を元に戻すのは難しいと危惧する人もいる。
しかし、でんでんタウンは、夜になればホームレスがアーケードの下に寝るなど、マンションの立つ場所として相応しいとは言えない。そのため、これらのマンションが成功するかどうかに疑問を持つ人たちもいる。


経営破綻して62年の歴史に幕を下ろした大手家電販売店ニノミヤの日本橋本店。この建物は別の用途に使われることだろう。
でんでんタウンの家電販売店は、上新電機とニノミヤがその代表であったが、ニノミヤの経営破綻はでんでんタウンの衰退を印象づけた。

---

取材して感じたことは、商店街形式が今の時代にあっていないのではないかということです。
商店街とは、その表通りに人の流れを作って、表通りだけの売上げを向上させるものです。その反面、裏通りに人の流れは少なくなってしまいます。そのため、店舗数を増やすには長くするしかありません（極端な例では長さ2.6kmにも及ぶ天神橋筋商店街が有名）。そうなると移動が不便になってしまいます。
その反面、でんでんタウンに致命的な打撃を与えたヨドバシカメラ梅田は面状に広がった床を移動するだけで良く、エレベーターもエスカレーターもあります。でんでんタウン並の売り場を短い距離で移動できるヨドバシカメラ梅田の方が移動が楽です（ヨドバシカメラ梅田を商店街形式にしたら相当な長さになるはず）。
最近、オタロードと呼ばれる裏通りによって、でんでんタウンもわずかですが面状に広がっています。オタロードによって、でんでんタウンも商店街形式から脱却しようとしているのかもしれません。

[戻る]