PC 用アクティブスピーカー2ちゃんねる的主要モデルの周波数特性
初掲載2004.2.5

2ちゃんねるのハードウェア板やAV板で定番とされているPC用アクティブスピーカーの周波数特性を測定しました。
今回、測定した機種は、以下の4機種です。
GX-77MとMA-10Dはそれぞれ使用時間が50時間を越えています。
M85-DとGX-D90は購入してからかなりの時間が経っており、エージングの必要はないと判断しています。
上記4機種の聴覚上の音質レビューはこちらを参照して下さい。

測定 環境
CDプレーヤー:Marantz SA-17S1
マイクアンプ:BEHRINGER UB802 (本当はミキサーであるが、ファントム電源付きのマイクアンプとして使用)
コンデンサーマイク:BEHRINGER ECM8000
測定PC:SONY VAIO PCG-FX11V
測定ソフトウェア:WaveSpectra
再生CD:日本オーディオ協会 AUDIO TEST CD-1

測定 風景

左から、GX-D90、M85-D、MA-10D、GX-77Mです。
右手前の装置はUB802です。


このように測定しています。
マイクとスピーカーの間は約25cm。
この状態で1KHzの音を出して、PC上のWaveSpectraで音圧が-10dB程度になるように設定します。

周波 数特性
(このテストは音のバランスを表す)

赤線が周波数特性、緑線がノイズ(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい。
GX-77M
低音が弱めで、中域が少しだけ盛り上がっているが低域から中域にかけては比較的フラット。
しかしながら、高域に3つもディップがある。
クロスオーバー周波数7kHzに大きなディップがある。
それ以外にも4kHzと13kHzにも大きなディップがある。
同軸2wayの弊害であろうか?
高域も全体的に音圧が弱めで高域の伸びないこの機種の特徴を裏付けるようでもある。

GX-D90
低音が70〜80Hzの間で強調されている。
200Hz〜2kHzまでは比較的フラットだが、2kHz以上の音圧が下がっている。
ディップは高域に1カ所あるだけで小さいものである。
フラットとは言えないが、周波数特性は比較的綺麗。

MA-10D
100Hz程度の低音は弱めだが、200Hz付近の低音がやや盛り上がっているように思える。
この機種は前に出る(指向性の高い)低音が特徴であるが、強調された低音の周波数が200Hzと高めのせいであろうか。
200Hz〜10kHzまではフラット。
10kHzと12kHz付近に大きなディップがあるが、12kHz以上の高音は他機種よりも音圧が高い。

M85-D
低音が70〜80Hzの間で強調されている。
100Hz〜10kHzの間までは比較的フラット。
音圧は10kHz以上から急激に低下する。
高音は弱いが、周波数特性は比較的綺麗。


100Hz 信号(低音)の再生
(このテストは低音の音色を表す)

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
GX-77M
音圧は弱めだが、比較機種の中では最も綺麗に低音が再生できている。
倍音は300Hzと500Hzに出ているものだけが目立っている。

GX-D90
比較機種の中で最も倍音の音圧が高い。
特に300Hzの倍音が100Hz信号とほぼ同じ音圧なのはかなり問題だろう。
この300Hzの倍音がボンボンとした低音の原因だろうか?

MA-10D
倍音の音圧は高めだが、周波数が高くなるにつれて収束して行く。

M85-D
GX-D90と似た波形で300Hzの倍音が強い。
しかし、GX-D90よりは倍音の音圧が-10dBほど低い。


1KHz 信号(中音)の再生
(このテストは中音の音色を表す)

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
GX-77M
比較機種の中で最も綺麗に再生できている。
倍音はみられるもののその音圧は低い。

GX-D90
2KHzと3KHzの倍音がみられるもののそこそこうまく再生できている。

MA-10D
他の機種とは比較にならないほど倍音が大量に発生している。
20KHzを越えている倍音もある。
この機種の音が良いと錯覚される理由はここにある。
この倍音が華やかな中音・高音を演出するのだ。
しかし、高音が強調されたシャリシャリとした耳障りな音に聴こえることにもなる。

M85-D
GX-D90と似ている。
2KHzと3KHzの倍音がみられるもののそこそこうまく再生できている。


10KHz (高音)の再生
(このテストは高音の音色を表す)

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
GX-77M
倍音は20KHzに非常に小さいものがあるだけ。
比較機種の中では最も綺麗に再生できている。

GX-D90
倍音はあるもののその音圧はそれほど高くない。
まずまずの再生と思われる。

MA-10D
やはり倍音が強く出ている。
華やかでありながらもシャリつく高音の一因であろう。

M85-D
この比較でもGX-D90と似ている。
まずまずの再生と言えるだろう。


60Hz 信号と7KHz信号の同時再生
(このテストは低音と高音を同時再生したときの音の解像度や音の分離の良さを表す)

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
GX-77M
このテストでも最も良い結果を出した。
60Hzの音圧は弱いものの7KHzの細さは60Hzと7KHzがほとんど干渉せずに出力されていることを表している。

GX-D90
低音の再生がかなり乱れており、60Hzの三倍音の方が音圧が高くなってしまっている。
高音はGX-77Mほどではないものの悪くはないが、低音がこうも乱れていると高音がマスクされてしまうのではないだろうか。

MA-10D
GX-D90と同様に低音が乱れている。
高音は歪みのせいで太く広がっており、倍音も最も酷く出ている。

M85-D
MA-10Dほど酷くはないが、高音は倍音が出ている。
歪みで7KHzが太くなってしまっているが、低音はそれほど乱れていない。
聴感上も低音の出方がかなり良いが、それを裏付けるようでもある。


14KHz 信号と15KHz信号の同時再生
(このテストは二つの高音を再生したときの音の解像度や音の分離の良さを表す)

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)
GX-77M
周波数特性に大きなディップがあるために14KHz信号の音圧が低いものの目立つような歪みは出ていない。
うなり波(15KHz-14KHz=1KHz)も出ておらず、音圧の差を除けば比較的綺麗な再生である。

GX-D90
14KHzと15KHzの左右に歪みが出ている。
1KHzにうなり波が出ており、再生はあまり綺麗とは言えない。

MA-10D
歪みがわずかに出ているが、1KHzのうなり波は出ていない。
いままでの測定結果からすると、測定範囲外に大量の倍音(28KHz,30KHz,42KHz,45KHz,・・・)が出ている可能性は否定できないが、 高音だけの再生は悪くはない。

M85-D
高音の音圧は低いが再生は意外と綺麗である。
歪みは目立たない。
1KHzのうなり波はわずかに出ているようだが、この貧弱な測定環境では誤差レベルかもしれない。


測定 結果総評

やはり高価格のGX-77Mの再生能力はダントツに優れていました。
周波数特性における高音のバランスには問題があるもののテスト信号の再現能力は他の3機種とは格が違うと感じました。

測定して面白かったのはMA-10Dです。
波形を忠実に再現する能力はかなり酷く「倍音大王」という称号を与えてもいいほど余計な倍音(元の音源に含まれていない倍音)を出します。
しかしながら、この倍音がこの機種の味になっているようです。
MA-10Dの倍音を大量に含んだ音を華やかな音とみなすかシャリつく音とみるかはソースと聴く人によって異なるでしょう。
MA-10Dの開発者は「この価格帯で真面目に作ってもたいした音にはならないから、強い味付けをした方が良い」と割り切ったのかもしれません。

M85-Dは最も低価格ながら、無難な再生能力を見せてくれました。
高音の音圧は弱いもののバランスはMA-10Dよりも良く、低音の再生能力もなかなかのものです。
粗悪なボリュームさえ直れば低価格な名機と言えるかもしれませんね。

GX-D90ですが、周波数特性は悪くはないものの低音と高音の再生能力に問題があります。
特に低音は強調されているくせにテスト信号の再現能力が低いのです。
比較四機種の中では二番目に高価格なスピーカーとしてはかなり物足りないと思われます。

測定して思ったことは、かろうじてHi-Fiと言えるのはGX-77Mだけだと言うことです。
2ちゃんねるでGX-77Mより評価の高いMA-20Dは23000円程度で販売されており、現状で良い音を求めるには2万円程度は出すべきと言えます。
MA-10DとM85-DはHi-Fiの代用品としては使えますが、本当にいい音を求めるものではないでしょう。
GX-D90は小型化が災いしているせいか最も音が良くないようです。

しかしながら、PC用スピーカーがかなり進歩しているのも確かです。
1995年頃のPC用スピーカーは一万円程度のものでも盛大なサーノイズが当然で中域だけが聴こえるようなものが多かったと思います。
それが今では一万円程度のものでサーノイズが出るものは見当たらないでしょうし、中域だけのスピーカーもないと思います。
このまま順調に進歩すれば、PC用スピーカーもかなり面白いことになりそうです。

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