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チャ イナマジックEdifier R1800

初掲載2004年5月5日
更新2004年7月10日
  1. 写真レポート
  2. 試聴レポート
  3. 周波数特性
  4. R1800 はコストパフォーマンスに優れた名機なのか?

写真レポート

Edifier社のR1800は2年ほど前からインターネットで話題になっていたPC用アクティブスピーカーです。
安くて(実売価格5000円程度)、音が良いらしいのです。
Edifier社は中華人民共和国の北 京に位置するPCスピーカーのメーカーです。
特に定評のあるメーカーとは言えないのですが、R1800に関してはかつてから熱狂的なユーザーが多く、
2ちゃんねるには今でも専用スレッドが立っています。

【ハードウェア】 [ベスト]R1800[チョイス?]
http://pc4.2ch.net/test/read.cgi/hard/1077095022/

しかしながら、どういう風に音が良いのかを書く人が非常に少なく、またR1800ユーザーが2ちゃんねるに荒らし行為
(R1800以外のアクティブスピーカーを理由もなく否定する連続投稿など)を働くため、筆者はネタだろうと思っていました。
ローランド社のEdirolブランドをパクったのではないかと思われる社名も怪しく感じました。
しかし、最近になって秋葉原に て試聴したところ意外とまともな音を出していることに気がつきました。
そして、とうとう購入に至ったのです。

R1800の外箱です。
空き缶と比較しても分かるようにあまり大きくない小さな箱です。


R1800の箱を持ってまず気がつくのは「重い」ということです。
重いオーディオ製品は音が良いことが多いので、これは期待できます。
体重計で測定すると約8.2Kgでした。
スピーカーの重さは左が約4.5Kg、右が約3Kgでした。

スピーカー名称
右重量[Kg]
左重量[Kg]
R1800TN
4.5
3
GX-77M
3.6
2.5
MA-10D
3.5
2.3
M85-D
2.6
2.3
上の表はスピーカーの重量の一覧表です。
今まで紹介したスピーカーと比較してかなり重いことが分かります。


箱を開けると、このようになっています。
白い梱包材の上に説明書などが入っています。


左から輸入代理店の説明書、購入店の保証書、説明書です。


説明書はカナダ仕様でした。
R1800TNはカナダモデルということでしょうか。


スピーカーはこのように収まっています。
左上にスピーカーケーブルが押し込まれています。


箱からスピーカーを取り出したのですが、明らかに土のようなものが付着していました。
さすが中国製というべきか・・・
もちろん、ウェットティッシュで拭き取りました。


内容物はこれで全てです。
スピーカーケーブルとミニジャック-RCA変換ケーブルが付属しています。


スピーカーの正面です。黄色いコーンが印象的。


背面です。電源ケーブルは1.5mと短めです。


フラッシュで光ってしまって見辛いですが、背面の操作パネルの写真です。
写真左の"S BASS"つまみは、低音の調整をするつまみです。
その右にVOLUMEつまみがあります。背面につまみがあるのはコストダウンのためと思われます。
設置条件によってはかなり使い難いと言えます。
入力が二系統ありますが、切り替えて音を出すことはできません。
箱に"Dual stereo input connecting two audio devices at the same time."と書かれているので、音のミックスはできるかもしれません。
※試したところ音のミックスはできました(2004年6月13日追記)
"LINE IN A"に接続すると、高音が増強されるだけです。
"LINE IN B"に接続すると、特に音声信号を加工されずに音を出せます。

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R1800比較音質レビュー
2004年6月13日掲載

R1800を十分にエージング(おそらく40時間以上)した後で、比較試聴を行いました。
比較に使用した機種は以下の四機種。

ONKYO GX-77M(定価25000円、実勢価格約17000円〜約20000円)
Roland MA-10DBK(定価16500円、実勢価格約12000円〜約14000円)
Creative M85-D(オープン価格、実勢価格約10000円)
Edifier R1800TN(定価不明、実勢価格約5000円)


これが試聴環境です。
スタンドはハヤミ工産のNS-431を使用してい ます。
5000円程度で売られている安物ですが、PC用アクティブスピーカーを置くには十分でしょう(コンパクトで便利です)。

試聴の方法は、以下のようにしました。
  1. 試聴する音楽を決める
  2. GX-77M,MA-10D,M85-D,R1800TNの順に聴く。
  3. レポートを書く
接続方法は全てアナログ接続です。

BASSとTREBLEの設定はニュートラルにします。
R1800は"LINE IN B"に接続してニュートラルの状態にします。
("LINE IN A"に接続すると高音が強調されます)

左右のスピーカーの間隔(左スピーカーの中心から右スピーカーの中心の距離)は約90cm。
筆者は80cm〜90cm程度離れて試聴しました。
床に座って聴くので、耳の高さとスピーカーの高さは合っています。

(注)音の感じ方は人によって異なります。このレビューは参考程度とし、最終的には自分の耳で聴くことをお勧めします。

Beethoven Symphony No.9 <Choral>
TRACK4(6分34秒)
指揮:小澤征爾
発売元:ビクターエンターテインメント株式会社
ジャンル:大規模クラッシック

GX-77M
高音が落ち着いた音。
音場が狭いため、コンサートホールの後席で音を聴いているかのよう。
音場は狭いが、音像定位が明確で楽器の位置が把握しやすい。

MA-10D
GX-77Mよりも音像定位と解像度は見劣りする。
各楽器の音像が混ざってしまうことが多かった。
高音よりの音はクラッシックに合うが、高音が目立ちすぎるように思える。
低音は下まで伸びず物足りない。
音場はGX-77Mよりも広い。

M85-D
MA-10Dよりも音像定位と解像度はさらに見劣りする。
楽器の位置はかなり分かり難い。
その結果、音の分離が悪くてあまりクラッシックを聴いている気分になれない。
低音も切れが悪いように思えた。
音場は最も広い。

R1800TN
解像度が最も低い。
音像定位も良くなく、楽器の位置が分かりにくい。
高音も低音も伸びないが、その反面何かの音が突出して耳障りということもない。

Simba
TRACK1「ニューシネマパラダイス」(5分1秒)
演奏:高島ちさ子
発売元:日本コロムビア株式会社
ジャンル:小規模クラッシック

GX-77M前回と同じ感想だったので前回のものをコピーす る)
この曲は中央にピアノ、左にヴァイオリン、右にチェロがそれぞれ定位する。
中央のピアノの定位は良く、鍵盤の上を水平に移動する指の動きが伝わってくるかのよう。
ヴァイオリンの音色も輪郭がシャープで高音もそこそこ伸びるこの機種では魅力的に聴こえる。

MA-10D
このスピーカーの強調された高音との相性が良い。
その反面、味付けされた感がある。
音像定位もGX-77Mほどではないが、悪くはない。
解像度はやはりGX-77Mに見劣りする。

M85-D
ヴァイオリンが明るい音に聴こえる。
解像度がそれほど高くないため、ヴァイオリンの音の細部は綺麗に聴こえない。
音像はMA-10Dよりもボケている。

R1800TN(LINE IN B)
やはり解像が低い。
音像定位もM85-Dよりも不鮮明。
ヴァイオリンの音も綺麗とは言い難い。

A NEW DAY HAS COME(SuperAudioCD版) 
TRACK1 "I'M ALIVE"(3分30秒)
歌:CELINE DION
発売元:Epic Records Int'l
ジャンル:女性POPS(英語)

GX-77M
特に味付けの無い素直な音。
ポップスにしては音が硬い気もしたが、これが正しいのであろう。
音像定位が良く、音場に立体感がある。

MA-10D
背景音楽の高音と特定の低音がやや前に出過ぎている感がある。
音像定位はGX-77Mに見劣りするものの、高音よりのバランスが
女性ボーカルのこの曲に合っている。
ボーカルはややきつく感じるときもあるが、鮮明に聴こえる。

M85-D
やはりこの機種の低音の出方は良い。
比較機種の中で最も低音が強調されているにもかかわらず、
他の音を妨害することのない低音の出方である。
音場も広くて乗りが良い。
ボーカルも明るく聴こえる。
音像定位はMA-10Dよりも見劣りする。

R1800TN(LINE IN B)
解像度が低くてボーカルが不鮮明。
一見、低音が出ていて迫力があるように感じるが明らかに中低音が出ているだけ。
高音も伸びなくて物足りない。
音場の広さはMA-10Dと同程度。

月天 心
TRACK2「もらい泣き」(4分40秒)
歌:一青窈
発売元:コロンビアミュージックエンタテインメント株式会社
ジャンル:女性POPS(日本語)

GX-77M
甲高い声のボーカル中心なので、このスピーカーの控えめな高音はやや物足りなく感じる。
音像定位はやはり良い。
前回のレビューではボーカルの音像がややボケると書いたが、
今回はそれほどボケを感じない。
使用時間が増えたからかもしれない。

MA-10D
「さ」行がかすれる現象が発生する。
音場はGX-77Mよりも広いので、乗りはこっちの方が良いかもしれない。
ソースが高音よりの上にスピーカーも高音よりなので聴き疲れしやすい。
低音の出方は中低音がポンと前に出るような感じで独特。

M85-D
MA-10Dと同様に「さ行」がかすれる。
スピーカーのバランス自体は特に高音よりではないため、MA-10Dよりは聴きやすい。
低音も十分に出ている。
比較4機種の中で最も音場が最も広いため、この曲と相性は良い。

R1800TN(LINE IN B)
やはり解像度は低い。
「さ」行のかすれはそれほど目立たないが、
無理して高音を出していないからであろう。
低音はやはり中低音が出ているだけだが、
それなりの迫力はあるもののM85-Dには及ばない。

Nine Lives
TRACK1 "Nine Lives"(4分1秒)
歌・演奏:Aerosmith
発売元:SONY MUSIC
ジャンル:ROCK(英語)

GX-77M
この曲はリズム打楽器の高音がポイントなので高音の出方が物足りない。
立体感があるのは良いが、高音の出が弱いせいか音像もそれほど鮮明ではない。

MA-10D
高音が強調されているのでリズム打楽器の高音は華やかに聴こえるが、
音の分離があまり良いとは言えない。
そのため楽器の音が混ざり気味で立体感はいまいち。
低音は不自然である。
大げさに例えると、ドンという音がポンという音に聴こえる。

M85-D
比較機種の中で何故かボーカルが最も鮮明に聴こえる。
ボーカルの声の帯域とM85-Dの強調された中高音が偶然にも一致しているのだろうか?
しかし、音像定位はそれほど良くはない。
低音はやはり比較機種の中で最も良く出ている(もちろん低音の高い部分ではあるが)

R1800TN(LINE IN B)
ボーカルは比較的聞き取りやすい。
どうやら中域の音を出すのは得意なのかもしれない。
音像定位はM85-Dと同様にそれほど良くはない。
解像度は最も低い。
低音はGX-77MやM85-Dに遠く及ばないもののMA-10Dのように不自然なことはない。

SONNY ROLLINS VOL.2
TRACK1 "WHY DON'T I"(5分43秒)
演奏:SONNY ROLLINS等
発売元:東芝EMI
ジャンル:ジャズ

GX-77M
主役のサックスの音が鮮明に聴こえる。
背景音楽はかなり沈んだ感じに聴こえるので、サックスの音がさらに強調される。
音像定位も良好。

MA-10D
このスピーカーは高音が強調されているので、サックスが主役のこの曲と相性が良い。
さらにこの曲は強い低音があまりないためこのスピーカーの低音の不自然さも気にならない。
サックスの音は華やかに聴こえるが、サックスの音像定位は不鮮明で
背景音楽と少し混ざり気味である。

M85-D
解像度はMA-10Dよりも低いが、サックスの音は背景音楽と混じった感じはしない。
低音も自然な感じで鳴る。
高音は少しシャリついているように感じる。

R1800TN(LINE IN B)
サックスの音は明るく鳴るが、音像定位がボケていて音場の立体感がない。
強調された中低音はこの曲に良いアクセントを与えている。

比 較試聴総評

R1800TN(LINE IN B)の音を単体で聴くと「意外と良い」と思ったのですが、比較してみると値段なりのものでした。
R1800TN(LINE IN B)の音を一言で表現すると
「中域重視で高音と低音の伸びはあきらめた音。そして低音の代わりに中低音を強調している」
という感じでした。
解像度は比較機種の中で最も低く、音像定位も良くありませんでした。
音質は比較機種の中で最下位です。
R1800TNは最も安い機種ですから、当然と言えば当然です。

2ちゃんねるで「GX-77Mよりも良い」「GX-77Mと同等」等の書き込みは明らかにネタです。
(あるいはこの価格帯のスピーカーの音しか聴いていないので良い音が何か理解できていない人の書き込み)
しかし、冷静にR1800を評価している人もいたはずです。

何故、R1800TNは2ちゃんねるでこれほどまでに持ち上げられていたのか?
その原因を考えてみると、M85-DやMA-10Dのような欠点もないということです。
例えば、M85-DとMA-10Dには、高音のシャリつき(「さ」行のかすれも含む)という共通の問題があります。
R1800でもシャリつきはあるようですが、高音を無理に出していないためそれほど目立たないようです("LINE IN B"に接続したときです。"LINE IN A"に接続するとシャリつきます)。
M85-Dはドンシャリ傾向のバランスと言う問題もあります。
同様にMA-10Dは高音よりのバランスです。
このようにバランスを片寄らせると、どうしてもそのスピーカーに対して相性の良い音楽と相性の良くない音楽が存在します。
R1800TNの場合は中域だけの音なのでこのような問題がなく、どのようなジャンルの音楽に対しても同じように使用できるという利点があります。
さらにR1800TNの低音の正体は中低音と思われるのですが、MA-10Dの特徴のある低音よりは自然な感じがします。

音質を除外したバランスだけで言えばR1800TNはM85-DとMA-10Dを上回るとも言えるでしょう。

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周波数特性

測定環境
CDプレーヤー:Marantz SA-17S1
マイクアンプ:BEHRINGER UB802 (本当はミキサーであるが、ファントム電源付きのマイクアンプとして使用)
コンデンサーマイク:BEHRINGER ECM8000
測定PC:SONY VAIO PCG-FX11V
測定ソフトウェア:WaveSpectra
再生CD:日本オーディオ協会 AUDIO TEST CD-1

マイクとスピーカーの間隔は約25cm。
この状態で1KHzの音を出して、PC上のWaveSpectraで音圧が-10dB程度になるように設定します。

他機種の波形はこちらか ら見て下さい。

※この測定結果は貧弱な機材によるものですので参考程度にして下さい
(50Hz周辺に盛大なハムノイズが乗っていることに注意)


面倒なので測定結果を一つにまとめています。
"LINE IN B"はR1800のデフォルトの接続です。
"LINE IN A"と"LINE IN B(BASS=最小)"でも周波数特性を測定しています。
見ての通り"LINE IN A"だと高音の音圧が全体的に上がり、BASS=最小だと低域が全体的に下がっているだけです。
周波数特性は80Hz付近が強調されている以外は比較的フラットでバランスが良いと思われます。

単発の波形による測定は"LINE IN B"だけで行っています。
実は"LINE IN A"でも単発の波形による測定を行ったのですが、"LINE IN B"と音圧が異なるだけで意味がないので掲載しません。

100Hz再生はMA-10Dに似ています。
1KHz再生はM85-Dに似ており、10KHzの再生はGX-D90に似ています。
このようにMA-10D、M85-D、GX-D90と比べて見劣りしない特性です。
しかしながら、GX-77Mとはどうしても差があります。

60Hzと7KHzの同時再生の測定結果はなかなか良いと思います。
他のスピーカーと比べても低音が高音をそれほど妨害せずに鳴っています。
このときの7KHzは歪みで太くなっていますが、MA-10DとM85-Dのような高音の倍音がない分良いとも言えるでしょう。
ただし、GX-77Mには及びません。
GX-77Mは60Hzと7KHzの同時再生しても7KHzが乱れないからです。

14KHzと15KHzの同時再生ではMA-10D、M85-Dと比べても見劣りしてしまいます。
14KHzと15KHzの周辺に出現する歪みが最も多いからです。
高域の分解能が落ちてしまう一因ではないでしょうか。
しかしながら、1KHzのうなり波形が少ない点はGX-D90よりも勝ります。

特性だけを見ると、「14KHzと15KHzの同時再生」を除けば、MA-10D、M85-D、GX-D90と互角です。
高域の分解能で音質的に損をしているのかもしれませんが、価格を考えると健闘しています。
それでもGX-77Mの波形再現能力には遠く及ばないのです。

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R1800 はコストパフォーマンスに優れた名機なのか?

結論から言うと、2ちゃんねるで言われているほどコストパフォーマンスに優れているとは思えません。
その理由として、M85-Dからデジタル入力を外した機種であるM80(実売価格約8000円)の存在があるからです。
M80はR1800に対して以下の利点があります。
  1. 前面パネルでVOLUME・TREBLE・BASSの調整ができる
  2. R1800TNに付いていない電源ON表示LEDが前面パネルに装備
  3. R1800TNに付いていないヘッドホン端子装備
このようにM80の利点を考えると、R1800TNが約5000円だとしても特に安いとは思えないのです。

2ちゃんねらーによると「R1800は他社の同価格帯の製品よりも遥かに音質が良い」とのことです。
私的には同価格帯のスピーカーならば、RP -SPC300とEAB-MPC301の方が音が良いと思います。
ただし、これらのスピーカーは小音量用途ですので、音量を出したいのであればR1800の方が良いと言えます。

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