チタン振動板対決!RP-SPC300 VS EAB-MPC301(初掲載2003年7月5日)

松下電器産業から発売されたEAB-MPC301(現在は製造中止)は、小型アクティブスピーカーの常識を覆した製品でした。
まるで高級ヘッドホンかのような音の解像度の高さ、近距離(50〜60cm程度)で聴いたときのくっきりとした音像の定位。
大音量と低音は得られないものの実売価格4000円程度のスピーカーとしては素晴らしい完成度を誇っていました。
惜しむらくは、ビビリが発生する不良品が多いらしくインターネットでも数々の報告がされていました。
EAB-MPC301は2002年末に製造が終了し、今では入手し難くなっています。

そんな中、松下電器産業からEAB-MPC301の後継機種RP-SPC300が2003年6月に発売されました。
私も聴いてみたのですが、かなり音の傾向の異なるスピーカーになったようです。

このページでは、RP-SPC300の紹介後、EAB-MPC301とRP-SPC300を比較してみます。

RP-SPC300の紹介



箱の外観です。



箱の底部にはスペックが書かれています。



箱を開けると説明書が入っています。



スピーカーはこのように格納されています。



RP-SPC300です。ケースの前面は銀塗装されていますが、背面は無塗装です。


対決!RP-SPC300 VS EAB-MPC301



銀色のスピーカーがRP-SPC300、黒いスピーカーがEAB-MPC301です(MPC301には銀色のものも販売されていました)。
RP-SPC300は下部のバスレフ(低音を増幅する穴)が特徴的です。
RP-SPC300は電源スイッチとボリュームが分離していて、EAB-MPC301のようにスイッチを入れる毎にボリュームを調節する必要はありません。
EAB-MPC301の方が小型なので、設置には有利です。



側面の写真です。
EAB-MPC301の方が奥行きも少し短いようですね。
RP-SPC300は無塗装部分が目立ちます・・・



背面はこうなっています。



試聴に使用したSuperAudioCDです。
マランツのCDプレーヤーSA-17S1に付属していたものです。



試聴に使用したCDプレーヤーSA-17S1です。
この背面の出力端子からRCAオス-ミニジャックメスのケーブルでアクティブスピーカーに音声信号を供給します。



このような設置環境で試聴しました。
灰色のコードはEAB-MPC301のものです。黒色のコードはRP-SPC300のものです。

音像の定位感と音の解像度はEAB-MPC301に軍配が上がります。
しかしながら、Dレンジとfレンジの良いRP-SPC300の方が良く思えることも多かったと思います。
低音の弱いEAB-MPC301の音がバランス悪く感じることもありました。

ボリューム最大での比較もしてみました。
ボリューム最大ではEAB-MPC301の音は分離感に乏しくなります。
一方、SPC300だと最大音量でもある程度分離した音を聴くことができます。
つまり、DレンジはSPC300の方が良いようです。

とはいえ、近距離で高解像度な音を楽しむ分については、MPC301に軍配が上がると思います。
SPC300の場合、左右を1m程度離して1m程度離れて聴けば、音像の定位もかなり改善されます。


f特性で対決!



f特性の測定に使ったコンデンサーマイクECM8000とミキサーUB802です。
コンデンサーマイクは動作原理がダイナミック型と異なるためUB802のようなファントム電源付きアンプで駆動する必要があります。
音源はWaveSpectraWaveGeneで作成したテストCDをSA-17S1で再生します。
スペクトル解析はVAIO PCG-FX11VでWaveSpectra(スペクトル解析ソフト)を走らせて行いました。
VAIO PCG-FX11Vのマイクアンプは性能的に高いとは言えないので、この測定は参考程度に思って下さい。

(グラフの見方)
赤い線がf特性、緑色の線はノイズです。特に50Hzのハムノイズが混入しているので本測定では50Hz以下の特性はあまり意味がありません。

MPC301  
EAB-MPC301のf特性です。
マイクの高さは振動板の位置とほぼ同じです。
マイクはスピーカーから7〜8cm程度離しています。
200Hz以下から始まる音圧の低下が特徴ですが、わずかなくせはあるもののかなりフラットで綺麗な特性です。

SPC300
RP-SPC300の特性です。
マイクの高さはバスレフと発音体の中間に調整して測定しました。
マイクはスピーカーから7〜8cm程度離しています。
低音はバスレフの効果のおかげか100Hzまで出せるようです。
しかし、1kHz付近にかなりのくせのようなものがあったり、高域の特性もフラットとは言えないものです。
バスレフの副作用かもしれませんね。



結論ですが、チープな環境ではEAB-MPC301の方が良いと思います。
コンパクトですし、繊細な音を手軽に楽しめます。

フルサイズCDプレーヤーなどを持っているのであれば、Dレンジの大きいと思われるRP-SPC300の方がいいかもしれません。
EAB-MPC301よりも明らかに見劣りする定位感は、左右の幅を広げることによってある程度解消できますが、EAB-MPC301には及びません。

RP-SPC300は普通のスピーカーに近いと思います。
EAB-MPC301のような強烈な個性はなくなったと思います。
しかしながら、EAB-MPC301の繊細さもある程度引き継いでおり、これはこれでありかと思われます。
EAB-MPC301と同じ音を期待する人にはお勧めできませんが、買って損はしないでしょう。


2003年7月12日追記
私のRP-SPC300の音声出力が左右反転していました。松下電器もそれを認め交換して頂けることになりました。

2003年7月19日追記
RP-SPC300の代替品を受け取りました。左右反転は直っていました。
シリアル番号が「XXXX」から「XXXX・」になっていました。
XXXXの番号は一緒だったので、事前に知らせたシリアル番号から作ったのでしょうね。
送り返すための着払い送付票も付属していました。親切ですね。

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