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ヘッドホンアンプSAITAMA-HA2の製作

現在、日本で市販されているヘッドホンアンプの中で最も廉価なものがオーディオテクニカのAT-HA2でしょう。
実売価格は5000円程度です。
しかし、ノイズが多いためネット上での評判はあまり良くありません。
AT-HA2には新日本無線のNJM2073というパワーアンプICが使われています。
このICは安物のアンプ用として有名なものらしく様々な応用製品が存在するようです。
筆者は「NJM2073を使ってヘッドホンアンプを自作すれば、AT-HA2のノイズの謎に迫れるかもしれない」と考えました。
自作ヘッドホンアンプの名称は、"SAITAMA-HA2"としました。

まずは回路設計が必要です。
筆者は以下のような回路図を考えました。
NJM2073のマニュアルを参考にして作ったものです。


出力2系統そして入力スルー出力可能というAT-HA2とほぼ同様の仕様です。


上の回路図を元にして購入した部品です。


レギュレーター7806とパワーアンプIC NJM2073Sです。
レギュレーターは安定した直流6Vの生成を行います。

 
最初は万能基板むき出しのままでSAITAMA-HA2を組み立てるつもりでした。
そのため、基板に穴をあけて、コネクタ類を載せる必要があったのですが、これがかえって面倒なのできちんとしたケースに入れることにしました。


ケースの加工中・・・


コネクタ類を取り付けてみます。いい感じですね。


まずは電源回路を組み立てます。テスタで6Vの出力が出ていることを確認する必要があります。
12Vの電源には、ACアダプタを使用します。


電源が完成すると、LED回路を組み立てます。
点灯することを確認したら、アンプの組み立てです。


アンプの入力系を組み立てます。


アンプの出力系を組み立てると、組み立ては終了です。


箱に入れて実際に聴いてみると、「バリバリバリ・・・」というもの凄い音がします。
入力した音はほとんど聴こえません。
何か問題があるようです。
※試聴には99円ヘッドホンを使用しました。壊 れても惜しくありませんから、自作派の方には必須アイテムかもしれません。


発振防止抵抗R2とR3の抵抗値を1ohmから12ohmにすると、「バリバリバリ」という音は収まりました。
しかしながら、「ブチブチ・・・ブチ・・・」という音がしますので、まだ問題があるようです。


入力回路の右チャンネルにCR回路(ハイパス、ローパス)を入れて試してみたのですが、効果はありませんでした(写真の基板右上)。
次に電源に問題があるのではないかと思って、レギュレーターを通さずにACアダプタの直流を与えると、「ブチブチ」音は止まりました。


レギュレーターNJM7806に問題があるのかもしれませんので、持ち合わせの7809(9V出力)に交換しました。
これで「ブチブチ」音は止まりましたが、まだまだノイズは多いです。

ノイズ対策のために以下のことを行いました。

(1) C1の値を0.33uFから10uFに変更
(2) 負帰還をかけて利得を44dbから30dbへ落とす

これである程度の効果はありました。
しかしながら、まだまだノイズが多く、使い物になりません。
ここで筆者は最も肝心なことに今更気が付きました。
「空中配線が多過ぎる・・・」

空中配線が多いことによって、容易に入力系統が出力系統のノイズを拾うのです。
そこで、入力系統の配線を工夫して、空中配線を減らしてみました。


空中配線を減らすと劇的な効果がありました。
ノイズが大幅に減ったのです。
やはり抜本的な対策が必要なようです。


抜本的な対策のためにシールド線を使うことにしました。
入力系統の配線の大部分をこれで行います。


RCA端子-ボリューム間をシールド線で接続します。
ミニジャックJ1-RCA間の配線は、ノイズ混入の可能性が低いので通常の配線です。


ボリュームに出入りする配線はGND(黒い線)以外は全てシールド線です。
※実際にはGNDを接続するとGNDループになるので、接続する必要はありません。


ボリュームを通過した入力信号は、万能基板上のNJM2073に入力されます。
万能基板上にピンを立てて、シールド線のシールドをGNDに落とします。
これで入力系統にノイズが入ることはほとんどないでしょう。


これが最終的な配線です。
しかし、ある程度のサーノイズがどうしても止まらない・・・
これがAT-HA2でも話題になっていたあのノイズなのでしょうか?


これが最終的な回路図です。
レギュレーターを交換した時に電圧が上がったので、LEDの制限抵抗を持ち合わせのもので追加しています。


ACアダプタによってもノイズの程度は変わります。
左のACアダプタ(出力300mA)は最初から使っていた300円程度のものです。
右のACアダプタ(出力1000mA)は1000円程度のもので、これを使うとノイズはかなり落ち着きます。
それでもノイズは残りますけど。


完成です。


正面パネルです。
出力は標準プラグと、ミニプラグに対応しています。


背面です。
入力系統が2つあるように見えますが、一方を入力に使うともう一方はスルー出力になります。


次回はAT-HA2と比較してみます。
お楽しみに!!

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