SAITAMA -HA7のオペアンプ交換による音質変化

SAITAMA-HA7はNE5532Pを仮に搭載して製作しましたが、他のOPAMPと交換することができます。
実際に交換して聴いてみました。


今回、用意したオペアンプです。

写真の
記号
型番 メーカー 購入価格 (参考) 特徴
A
NJM4558D
新日本無線
80円(若松通商)
最も普及している廉価なオーディオ用オペアンプ
B
NJM4580D
新日本無線 95円(若松通商) ベリンガーの製品に良く使われている。最大で50mAの電流を流すこと ができる(普通のオペアンプは10mA〜20mA程度)
C
TL072CP
テキサス・インスツルメンツ
80円(若松通商) FET入力型の普及タイプ
D
NE5532P
シグネティクス(現テキサス・インスツルメンツ)
140円(千石電商)
プロ用オーディオにも使用可能な名オペアンプ
E
NJM5532DD
新日本無線 120円(秋月電子通商)
NE5532Pの互換品
F
OPA2604AP
バーブラウン
800円(若松通商) 高級オーディオ用のオペアンプ。OPA604の2回路型。


このICピッカーで交換します。


交換の様子。かなり抜き難いです。

簡単に試聴した結果です。
試聴に使った音楽CDはEPIC RECORDS社の"ONE HEART"(歌CELINE DION) TRACK5 "ONE HEART"です。
使用ヘッドホンはATH-A100Ti(32ohm)とHD580(300ohm)です。
型 番 短 評
NJM4558D 中高音の一部と低音が強調されているためかドンシャリのように感じる。 高音の伸びはあまり良くない。解像度は低い。
NJM4580D 音がベリンガーになるかと思ったがそうでもない。低音が強調されている が、高音の伸びは物足りない。NJM4580を搭載したSAITAMA-HA7は同じオペアンプを搭載したベリンガーHA4700よりも遥かに音がクリ ア。解像度はNJM4558Dと大差ない。
TL072CP 高音が強調され、低音が弱いバランスになる。低インピーダンスヘッドホ ンを接続すると無音時にサーノイズが聴こえる。入力イン ピーダンスが高いためノイズを拾ってしまうのだ。
解像度は低い。
※筆者の勘違い。入力インピーダンスとは無関係でTL072CPの入力換算雑音が大きいからです。
NE5532P 無難なバランス。解像度は上の3機種よりも高い。
NJM5532DD NE5532Pよりも低音がやや弱いが、解像度は少し上がっているよう に感じた。実際には解像度が上がっているのではなくて、低音が弱いために中音・高音が聴こえ易くなっただけかもしれない。NE5532Pと甲乙つけるのは 難しい。
OPA2604AP 解像度は最も高い。音のバランスも無難にまとまっている。ただし、電源 OFF時に凄まじいポップノイズが「ボンッ!」と鳴る。低インピーダンスヘッドホンだと頭に装着しなくても聴こえるレベル。

当たり前と言えば当たり前ですが、最も高額なOPA2604APを装着したときが最も音が良くなりました。
ただし、電源OFF時のポップノイズは凄まじく、SAITAMA-HA7に改良を施したいところです。

無信号時のノイズですが、高インピーダンスのHD580を使っている分にはボリュームを最大にしてもほとんど聴こえないくらいです。
低インピーダンスのATH-A100Tiを使うと、ボリュームを最大にすればノイズが聴こえますが、普通の音量で使用する分には問題はないです。
ただし、TL072Pを使ったときだけは無信号時のノイズが聴こえます。

SAITAMA-HA7の音質ですが、NJM4558D使用時でもベリンガーの市販ヘッドホンアンプHA4700よりもいいかもしれません。
定番のNE5532Pを使えば、HA4700は敵ではありません。
以前保有していたCEC社の市販ヘッドホンアンプHD51と比較したかったのですが、すでに手放してしまったので直接比較ができません。
おそらく大差はないと思われますが、高インピーダンスヘッ ドホンではHD51の方が上かもしれません。
HD51が苦手とする低インピーダンスヘッドホンについて は、SAITAMA-HA7を下回る可能性がなくもないでしょう。
(補足)
2003年に有楽町で開催されたハイエンドショウでCECの社員に聞いたところによると、HD51は電流を流す能力が低いため低インピーダンスヘッドホン だと電流が足りなくなって音質が低下するとのことです。
新型のHD53ではその点を改良しているとのこと(HD53は2004年2月8日現在でも発売されていません)

(2005年10月9日追記)
このページを書いた後の2004年6月、HD53を購入しました。
当時、SAITAMA-HA7との比較はしたのですが、このページの存在を忘れていたので長い間このページを更新していませんでした。
結論から言うと、HA7はHD53よりも音が良いです。
HD53は音像が広がって高音が明るい音です。音の味付けが強いですね。
HA7の方がくせのない音が出ます。
今ではHD53の後継機のHD53ver8とHD53Rが発売されていますが、これらと比べたらどうなのかは不明です。

さすがにMarantz社のCDプレーヤーSA-17S1のヘッドホン端子にはかないません。
ただし、音の力強さはSAITAMA-HA7の方があるような気がします(TL072CP搭載時を除く)
材料費一万円以下の自作としてはまずまずの完成度だと思います。

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