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SATRI-KITの完成
2004.11.7掲載

いよいよ完成させます。


電源、ボリューム、入出力を上図のように配線すれば完成です。
この回路は二つ作る必要があります。


まずは入出力端子のアースをします。
左の4つの端子がRCA入力端子で、4つのアースを一つのネジ端子にまとめています。
右の4つの端子がスピーカー出力です。


スピーカー出力端子は千石電商で購入したものです。一個200円程度。


この端子をシャーシに取り付けると、このように何か危なっかしいものです。
中心の導体がシャーシに触れると大変なことになります。
もちろん、端子にはシャーシの穴にはまるプラスチックの薄い出っ張りがありますが、
十分な絶縁対策とは言い難いかと。
この端子だけは別の物を使うべきでした。


アンプ基板に全ての配線を施します。
これで取り付け準備完了です。


FETの取り付けには、FETをシャーシと絶縁するためのシリコンシートとシリコングリスを使います。


放熱板とパワーFETにはシリコングリスを塗っておきます。


左の放熱板が今回使用した物です。右の放熱板は仮組で使ったものです。
どちらも千石電商で購入できます。
ネジは直径3mmのものを使います。


パワーFETをシャーシに取り付けたところです。
基板は長さ30mmの白いネジ付きスペーサーで固定しています。
白いスペーサーの上にもう一枚の基板が乗ります。
このスペーサーは千石電商で購入しました。


アンプ基板を一枚付けたところで、試運転です。
ただし、音声入力系統と音声出力系統は接続していませんので、電源回路のテストになります。
音源はiPodから取り、スピーカーはジャンクで購入した100円のものを使いました。
この時点で問題はないようです。


ヘッドホン出力に1Wの抵抗を付けてスピーカー出力を電圧降下します。
簡単なヘッドホン端子の構造ですが、オペアンプ一発の回路よりはいい音がします。


アンプ基板の音声入出力系統を配線したところです。
信号電流の少ない入力系統とボリューム系統はシールド線で配線しないとノイズが乗る可能性があります。
ブレーカーの配線が最終的なものと異なることに注意して下さい。


アンプ基板を2枚組み込んだところです。
ブレーカーの配線が最終的なものと異なることに注意して下さい。


入出力端子の配線です。


前面パネルの配線です。
左からボリューム(RV30Y6)、ヘッドホン端子、出力切替えスイッチ、入力切替えスイッチです。


ボリュームのシールド線は、端子を使って基板に接続しています。
シールド線は秋葉原の九 州電気で購入した直径3mmのものを使っています。
SAITAMA-HA7で使った細いシールド線よりも加工し易くて使い易いと思います。


全ての部品をシャーシに組み込んでテストをしました。
テストに使用したヘッドホンは、99円ヘッドホンです。
問題は特にないようです。
放熱板の発熱も少し暖かくなるだけで、1〜2W/chの出力で室温22度で39度を越えることはありませんでした。
シリコングリスとシャーシのおかげで放熱はうまく行っているようです。


ブレーカー(ボリュームの右側にある二つの黒い円柱状の部品)の配線を配線図の通りに修正して完成です。


前面パネルです。
左から入力切替え、出力切替え、ヘッドホン端子、ボリューム、左CH用ブレーカー、右CH用ブレーカーです。
入力は二系統あるので入力切替えスイッチで切替えできます。
市販のアンプ製品ではヘッドホンを接続しているとスピーカー出力が出ないのですが、
このアンプの場合、出力は出力切替えスイッチで切り替えるだけですので、ヘッドホンを刺したままスピーカーを使うことができます。


背面です。
左からヒューズと電源プラグ、スピーカー出力、RCA入力二系統です。


実際に使ってみました。
RD-XS41--(光デジタル)--PS7300--(RCA)--SATRI-KIT--(スピーカーケーブル)--SX-LC33と配線していま す。
このとき、PS7300はDAコンバータとして使っています。
私が保有しているアンプの中では最も音が良いものになりました。
他のアンプがPS7300やらTU-870なので対抗馬としては弱過ぎるので当然かもしれません。
PS7300のように高音を控えめにしたような音でもなく、TU-870のように高音を強調した音でもありません。
SATRIアンプの音はあくまでもフラットで高音と低音もよく出ます。
音像定位も良好です。
音楽の背景音もはっきりと聴こえるようになりました。
費用は余分に購入した部品も含めて材料費6万円以上かかりましたが、バクーンプロダクツ社のSCA-7511(実売価格10万2900円)相当のアンプができたので満足です。
しかし、製作の手間も考えるとSCA-7511の方がお買い得かもしれません。
結局は工作として楽しめたと言ったところでしょうか。

2004年11月7日現在、SATRI-KITのメーリングリスト(このページの 一番下)では、バイアスサーボ(SATRI回路V6.2)やA級アンプの話題が中心で私の作ったよう な小出力・固定バイアスのアンプは場違いのような雰囲気です。
確かにバイアスサーボ化は後でやってみてもいいかもしれません。
バイアスサーボを付けると音が出るのに時間がかかるというのが少し気がかりですが。

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