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SATRI-KIT1001アンプの改良

2004.11.14掲載

10月に完成したSATRIアンプは筆者のテレビ環境で多いに活躍しています。
筆者も音には満足。


ところが、SATRI-KITの開発者であるバクーンプロダクツ株式会社社長の永井氏か らこのようなご指摘を頂きました。
  1. 電圧電流変換抵抗R5は510オームでは小さすぎると思います。これは1Kオーム位にしたほうがバッファの歪が減ると思います。
  2. R5の値に対してSATRI−ICのバイアス電流が小さいです。1.5mAでは入力電圧1VでA級動作から外れてしまいます。そ れから、大電流が入ったときにバイアスが不安定になることと、歪が増えてしまいます。ここは、今までのいろんな試作や実験で3.5mAくらいが一番問題が 少ない電流です。ぜひ、一度変更してみてください。この場合、バイアス調整抵抗は1Kオームでいいと思います。
  3. 出力段はシングルですので、ソース抵抗はなくてもかまいません。そのほうが抵抗の音色が出なくていいです。

SATRI回路は、そのシンプルさゆえに、まだまだ、発展してゆく回路だと思っていますので、ぜひ、いろんなアイデアを試してください。
これからのご発展を願っております。

このようにまだまだ調整するべき箇所はあり、SCA-7511相当と書いてしまった自分が恥ずかしい限り。
そこで改造を行いました。


以下は2004.11.20掲載

改良後の回路図です。


変更点は、以下の4つ
  1. R5を510Ωから910Ωへ交換
  2. R26,R28を外してそれぞれを短絡
  3. CDR1を1.5mAから3.5mA
  4. 半固定抵抗VR4とVR5を2KΩから1KΩへ


アンプ基板を本体から取り外しているところです。
コネクタで外せるとは言え、シリコングスリで手が汚れたりして結構面倒です。


取り外したアンプ基板です。
調整するときにFETを発熱させるので、必ず放熱板を付けましょう。


今回使用する部品です。
左から910Ω金属皮膜抵抗、石塚電子の定電流ダイオード (CRD)E-352、半固定抵抗NECネオポット1KΩ。
この部品は基板一枚分なので、実際にはこの写真の二倍の部品が必要です。


改良する前のアンプ基板です。


改良後の基板です。
R26とR28はジャンパ線で短絡しています。


改良後はもう一度入力オフセットと出力FETのバイアス電流の調整を最初からやり直します。
今回はバイアス電流を200mA程度流すようにしました。

調整終了後は、本体に組み込んで終了です。
改良後はさらに音がさらにクリアになったような気がしまし た。
この後、数時間の間に色々な音源を聴いたのですが、全体的に明らかに音質が良くなっていることに気がつきました。
このアンプの音を聴くと、もうPS7300やTU-870には戻れません。
これからもSATRIアンプの動向から目が離せませんね。

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