真空管アンプキットTU-870の組み立て
初掲載2003年11月30日

TU-870はエレキットが販売している真空管アンプキットです。
秋葉原で19800円で購入しました(オプションパーツも購入しました。2000円でした)
同価格帯の半導体アンプには、Marantz PM4400SONY TA-F37Rなどがあります。
これらの半導体アンプに比べると、TU-870は格段に低機能ではあるものの組み立てる楽しみと真空管の独特の音色が手に入ります。
筆者は真空管未経験なので、是非とも体験したいと思っていました。


TU-870の梱包です。
レトロな雰囲気を出すためか「真空管ステレオパワーアンプ」が右書きになっています。


ちゃぶ台に乗っているものが、部品の全てです。
左下にある「はんだ付け虎の巻」なる小冊子。
このような冊子があっても電子工作が全くの未経験という人には難しいと思われます。


説明書はきちんと印刷されたしっかりとしたものです。
内容も一部を除いてなかなか親切です。


ロシア製真空管6BM8です。
信号増幅用の3極管と電力増幅用の5極管が一本の中に入っています。


最初に基板を組み立てます。


組み上がるとこうなります。
基板にピンを立てており、配線を行うときのハンダ付けがある程度やりやすくなっています。


次に組み立てるのがケース。
コードストッパーの取り付けに関する説明書の文章はかなり投げやりな書き方です。
実際のところ、説明書の図のような方法でコードストッパーを取り付けるのは難しいと思います。
筆者は右のようにペンチで挟んでコードストッパーを穴に押し込みました。
ケースに傷が付く可能性もありますのでご注意あれ。


ケースの上にトランスを乗せます。
左の大きなトランスが電源用トランス。
右の二つのトランスが出力用トランスです。
真空管は大電流を流せないので、電源用トランスで170Vに昇圧した電圧を真空管に入れて電力を稼ぎます。
(電力=電圧×電流なので、電流を増やせないのであれば電圧を上げればよい)
出力用トランスで降圧して、スピーカーの入力に適した低い電圧に変換しています。
真空管のアンプはこのようにトランスに依存することが多いため、トランスで音が劣化する可能性があります。
ここが半導体アンプ派に嫌われる一因ですが、トランスのない半導体アンプにも酷い音のアンプはいくらでもあります。
結局は、真空管なのか半導体なのかに関係なく、アンプ毎に音の評価をするべきでしょう。


基板をケースに取り付けて、配線を行います。
配線を行うと、基板を取り出せなくなりますので、基板の確認は取り付ける前に行った方が良いかと思われます。
(もちろん、配線を外せば基板を再度取り出せるが面倒なので確実に組み立てた方が良い)


配線が終わったら、動作確認です。
写真のスピーカーは秋葉原で購入した一本100円のジャンクスピーカー(動作確認用)です。
アクティブスピーカーのアンプの入っていない方のスピーカーらしく、パッシブスピーカーとして使うことができます。
いきなり高価なスピーカーに接続するとを破壊してしまう可能性がありますので、 このような安物で動作確認をしましょう。


動作確認をしたらケースをさらに組み立てて完成です。
およそ6時間の作業でした。


試聴に使用したケーブルはDENON AK1000です(1mで200円程度の安いケーブル)。
バナナプラグは千石電商で購入した一個200円のものです。


試聴の風景です。
PS2---(光ファイバー)---PS7300---(プリアウト)---TU-870---(スピーカー出力)---SX-LC33となっています。
プレーヤーがPS2なのはあれかもしれませんが、光で接続しているので問題になるのはジッターだけです。
光接続ならPS2でもそこそこの音質を出すことはできます。
というか音源の良し悪し以前にPS7300とTU-870の音質傾向はPS2の光出力で聴いても劇的に異なるのです。

PS7300のスピーカー出力との比較ですが、TU-870は中低音〜低音の出力レベルが弱く、高音よりのバランスの音です。
しかし、中高域〜高域の音が強調された華やかな音です。
PS7300よりも高音が良いという訳ではなく、伸びの良い高域が独特の華やかさを持っているようです。
これが真空管のくせなのでしょうか?音が美化されているような気もします。
音はなかなか良いと思います。
音楽ソースによってはTU-870で聴いた方が楽しいかと思われます。
事実、筆者もTU-870を聴いてからPS7300のおとなしい高音が物足りなく感じるときもありました。
バランス傾向はPS7300の方が万能に近いと思いますが、TU-870で聴く女性ボーカル・弦楽器・管楽器の音色も魅力的です。
TU-870は無信号時にハムノイズを出力しますが、聴いている間はそれほど気になるものではないです。
TU-870の出力はわずか2W/chですが、筆者の部屋(写真の部屋は6畳程度)で聴くには十分な音量が出ます。


グレードアップオプションを付けてみます。
真空管プロテクターと電源回路用のバイパスコンデンサのセットです。
このコンデンサによって、ハムノイズを低減することができます。


写真右上の大きなコンデンサが追加したコンデンサです。
コンデンサを追加するために配線をいくつかはずす必要があります。
オプションを最初から購入した人は最初から付けた方が良いでしょう。
筆者はコンデンサを付けたときの音の変化を知りたかったので、あえてこうしています。


グレードアップオプションのバイパスコンデンサによって、無信号時のハムノイズはかなり低下しました。
音楽を聴いているときの解像度も多少上がったような気がします。
真空管プロテクターの装着によって熱い真空管に触れなくて済むようになりますが、
真空管の放射熱によってプロテクターもかなり高温(下手するとやけどしかねない温度)になりますので、
割れ易い真空管の破損保護程度に思った方がいいかもしれません。
しかし、オプションのコンデンサーは最初から付けるべきではないでしょうか?
おそらく、商品価格を2万円以内に納めたいために真空管プロテクターを別売にしたけど、
それだけだと別売商品としての引きが弱いのでバイパスコンデンサーを別売りにしたのかもしれませんね。

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